ショパンエチュードの解説と練習法 -ルイ・ロルティの演奏を参考に-

ショパンエチュードの各曲について解説と練習法および演奏解釈の指針を書きます。
ルイ・ロルティ(Louis Lortie)が2008年に収録した映像&音源を参考とし、他のピアニストについては適宜述べていきます。
転載される場合は連絡不要ですが、出典元としてこのブログURLの記載をお願いします。

op.25-1:I

練習目的

  • 両手の指間の拡大と各指の独立の獲得
  • 柔軟な手首の使い方の習得
  • 音符が多い中で旋律と対旋律を同時に奏でるポリフォニックな奏法の習得
  • 多声部を確実に統制する能力の獲得(奏法、頭脳どちらも)
  • 音符が多い中におけるカンタービレ表現の追求

以上の目的を達成するために幅の広いアルペジョを弾き、なおかつポリフォニックな旋律をカンタービレに浮かび上がらせる曲となっています。ショパンエチュードにはこの曲をさらっていることが前提となる曲が非常に多いので、まずはこの曲から勉強することをおすすめします。この曲をしっかり練習することで、下記のような効果が得られ、初~中級者にとって非常に効果が高い練習曲といえます。

  • オクターブがいままでよりずっとラクに届くようになります。
  • 1-4や1-3といった指でオクターブが届くようになります。
  • ぎりぎり届いていた音が、きちんと届くようになります。
  • ぎりぎり届かなかった音が、なんとか届くようになります。
  • 右手和音のトップ、左手和音のボトムをはっきりと鳴らせるようになります。つまり両手の小指で弾く音を鳴らせるようになります。

難易度はツェルニー40番の中盤程度です。ツェルニー30番を終わってすぐでは難しいと思います。でも挑戦する価値はあります。

この曲をしっかり勉強すると、ショパンをはじめ他の作曲家のピアノ曲がとても弾きやすくなります。単独の曲としても美しいので、レパートリーに持っているとよいでしょう。レパートリーにするには、暗譜するくらい練習を積んでそこでおしまいではなく、ときどき弾いてみるとよいと思います。時間が経つと忘れますので。


練習方法

1.和声と旋律の把握

2.両手でゆっくり弾いてみて難所を把握

3.練習アイディアの提案

1.和声と旋律の把握

両手一緒に弾くとむずかしいので、右手の旋律(大きい音符)と左手のアルペジョだけで弾いてみます。最初からペダルを踏んで弾きましょう。

25-1和声


4小節目の最後にちょっと和声が変わるところとかはop.10-1と同じです。そうです、この曲はop.10-1を下地にして、うんと難易度を下げ、なおかつ両手とも同時に練習できるようにした改良版です。しかも234の指が黒鍵にくる、弾きやすい変イ長調になっています。op.10が難しすぎると批判されたので、より低い難易度で効果の高い練習曲を作ったと思われます。

op.10-1が弾けない人でもこの曲なら弾けます。ツェルニー30番ではこんなに大きなアルペジョの曲はないのでぜひとも練習したいですね。


2.ゆっくり弾いて難所を把握

次に両手で弾きます。

同じようなアルペジョが続くので、譜読みはそれほど難しくないと思います。まずはいろいろ考えないで、すべての音符を鳴らすことを第一にしてください。左手は上下するだけですが、右手は折り返しが入ります。この折り返しがポイントになります。

4:6、5:6といった左右の音符の数が一致しない小節が出てきます。ちょっといやな感じです。いまのうちに注意しておきましょう。

25-1-difficult

盛り上がる箇所ではどんどん音域が広がります。ここは大変だろうと推測できると思いますが、やり方次第でどうにでもなるので(次回に説明します)、指が届かなくても外しても諦めずとにかく最後まで音を拾っていきましょう。

25-1last

終結部がちょっと難しい。左手のトリルは要注意。この対策も次回紹介します。


3.練習アイディア

(1)手首をしなやかにする練習

10-1と全く同じ方法が通用します。旋律となる音にアクセントを付けましょう。

手首を柔らかく、しなやかに使って、目的の鍵盤の上に指を運びます。

25-1-1


(2)左右の打鍵を一致させる練習

この曲は左右の打鍵が一致しないといけないので、そのためには次のようなリズム変奏をします。この練習も、旋律となる音にアクセントを付けましょう。この練習方法は、シューベルト即興曲op.90-2など3連符が主体となるパッセージの練習にとても有効です。

25-1-2


※左右の音符が一致しない箇所の弾き方

・4:6⇒右手はそのまま。左手は16分音符単位であわせます。

・5:6⇒左手をずらし、右手の5つの音と一致させて弾きます。一致させる位置をいろいろ変えると非常によい練習になります(意外と難しいです)。1小節の中で一致させる位置を次々と変えられるようになると、5:6で正確に弾けるようになります。ただ、この曲は5:6を正確に弾くことが目的ではないので、予備練習の段階ではそこにこだわらなくてよいと思います。


(3)小指で弾く旋律を際立たせる練習

上記(2)で自然に旋律を強調して弾けるようになると思いますが、思うように行かない場合は、ピッシュナの「指の訓練のための練習課題」を少しさらってみるとよいでしょう。少しだけにしてください。ピッシュナは弾きすぎると手を傷めることがあります(ここ重要)。


あとはおなじみハノン風の付点音符・逆付点音符での変奏や、全部フォルテ、全部ピアノでの演奏など、いろいろな変化をつけて練習していれば、だんだんスムーズに弾けるようになると思います。

付点音符変奏はとても大事なので必ずやってください。左右の音が同時に鳴らない人がよくいますが、(2)の練習や付点変奏をやればそのような欠点は必ず直ります。


右手と左手の音符の数が合わない場所は、左手を正確に弾く必要はありません。4:6は正確に弾いて欲しいですが(次回で練習法を説明します)、5:6は「なんとなく」で大丈夫です。ただし拍の頭は確実に一致させます。


次回予告

なんとか音符を拾えるようになった初心者。

しかし不意を付く内声や突然出現する跳躍など、ショパンの容赦ない追撃はつづく。

初心者は攻撃をかわし見事に弾ききることはできるのか。

次回、ショパンエチュードop.25-1:II 「哀 ロベルト・シューマン」

君は生き延びることができるか?


つづき

画像をクリックするとエンディング曲が流れますが、知ってる人少なさそう(汗)ショパン=シャア扱いですから念のため。

ルイ・ロルティの最近のCD

このページではCDの情報を随時お知らせします。日本国内ではHMVやTOWER RECCORDよりアマゾンのほうが安価に買えます。右側のリンク集からアマゾンでのロルティのCD一覧へ直接アクセスできます。そのページに表示されない場合は、お手数ですが検索してください。


<ショパン>

このブログで扱っているショパンエチュード新録盤のCD(発売時期未定)

http://www.chandos.net/details06.asp?CNumber=CHAN%2010598

バラード全曲+小品集。日本でもまもなくCD発売です。

http://www.chandos.net/details06.asp?CNumber=CHAN%2010714

スケルツォ全曲+ソナタ2番+小品集。

http://www.chandos.net/details06.asp?CNumber=CHAN%2010588


<ラヴェル>

ピアノソロ全集。鮮やかな技巧と美しい音色が冴え渡る名演。
ショパン以外の演奏ではまずこのCDをおすすめします。

http://www.chandos.net/details06.asp?CNumber=CHAN%2010142

連弾と2台ピアノ。ラヴェルのピアノデュオがここまで揃ったCDは他にありません。

http://www.chandos.net/details06.asp?CNumber=CHAN%208905


<リスト>

巡礼の旅。詩的な情感の表現が素晴らしいです。技巧ばかりでないリストの内面が伺えます。

http://www.chandos.net/details06.asp?CNumber=CHAN%2010662


<ベートーヴェン>

ピアノソナタ全集。特に初期作品の演奏が優れています。ベートーヴェンのソナタ全集としてはとても安価です。

http://www.chandos.net/details06.asp?CNumber=CHAN%2010616

ショパンの曲における付点音符の演奏法

普段どうやって付点音符を弾いてますか?

付点音符

タッカタッカ=付点音符ですが。

じつはこの表記がすでにヤバイです。できれば「タッッカタッッカ」としたいです。付点音符のリズム表現が甘い人は「タッカタッカ」で育った人だと思います。そうですわたしです(汗)。自分の付点音符の弾き方が甘いと気付いて以降、付点音符に関して神経質になりました。

付点音符で書かれていたら通常は3:1で演奏しますが、ショパンにおいては2:1になることもあります。このトピックは、それを理解してない人が多すぎるからなんとかしましょう、という問題提起です。

バロック時代だと付点音符=複付点音符として弾く、みたいなローカル・ルールがあったりして、もうわけがわからないのが付点音符の世界ですが、ここはひとまずショパンに焦点をあてます


ショパンの困った癖


ショパンは本来8分の12拍子であるべき曲を4分の4拍子と表記することが多いです。バラードや舟歌を含むノクターン系の曲ではきちんと8分の12拍子の表記を使っているので、2:1の表現は普通にできることが多いですが、4分の4拍子で書かれると困ります。楽譜の表記習慣的に三連系のパッセージに乗った付点音符は2:1で演奏するお約束になっているのですが、それにしてもわかりにくいですね。

(1)前奏曲op.28-9

prelude28-9


上の画像はミクリ版の楽譜ですが、他の多くの楽譜はこの記法になっています。なので、右手の付点音符パッセージを3:1で弾いている人が多いです。でも、それは間違いです。この付点音符は2:1で弾くべきです。根拠は下記の自筆譜です。

prelude_op28_no9

※この画像の二次使用(コピー、印刷、配布等)は厳禁です。

三連符と一致した複付点音符につづく32分音符をわざわざ後ろにずらしていますね(ずらし忘れもありますが)。付点と複付点を使い分けていることから、どう見ても複付点の場合だけずらす、ということで確定です。本当にありがとうございました。

なおナショナル・エディションでは、下記のようにこの自筆譜の記述を反映させています。

op28-9NE

※この画像の二次使用(コピー、印刷、配布等)は厳禁です。

私はナショナル・エディションの信奉者というわけではありませんが、前奏曲9番のこの記譜法は英断だと思います。

ちなみに木枯らしのエチュードも同様に2:1で弾くべきと思われます。印刷用最終稿の写しを持っていますが、ショパン本人の手によるものではないのでここでは掲載しません。


(2)バラード4番

ballad4


前奏曲9番と同じことをやってますので、前奏曲と同じように2:1で弾きます。

・・・が、ここはコーダ前で最高潮に盛り上げたいパッセージです。なので小節の冒頭の音符を長めに取って、右手=2:1:1、左手=3:1で弾くようにすると、より劇的な演奏表現になると思います。いずれにしても、右手の32分音符と左手の音は同時に弾きましょう。

ここを同時に弾かないようにするために遅く弾いて32分音符をガツンと後ろに回す人がいますが、結果としてより一層表現が盛り上がるので、ケガの功名というか、ぶっちゃけそれほど神経質にならなくてもいい部分だとは思います。

※結論

テンポが遅いop28-9はきわめて慎重に弾いて欲しいけれど、速いパッセージではあんまり気にしなくてもいいよもう(かなり投げやり)。


ツェルニー先生の例


Czerny30-2

ピアノレッスンをしている人はよくご存知の、ツェルニー30番練習曲集の2番目の曲です。

この付点(複付点)音符の弾き方ですが、左手の音と一致させていいと思います。最近の楽譜の解説だと「一致させていいよ」と書いています。しかし、ほとんどの先生は一致させないように正確に弾きなさい、と言うと思います。わたしはそういう風に習いましたし、先生たちもそう習ったからだと思います。

現実問題として、ツェルニー30番に入ったばかりのレスナーにこれを厳密に弾かせるのは困難ですし、この曲の練習目的は左手のアルペジョと右手のアーティキュレーション対比にあるわけで、付点を厳密に弾く練習曲ではありません。なので、この部分にこだわるあまり本来の練習が滞るようでは困るわけでして、両手を一致させたほうがいいと思います。

この曲を指定テンポで弾けるレベルになったら、正確なタイミングで16分音符を入れなければなりません。左手と一致させるにしても、一致させないにしても、正確に弾けることが重要です。ツェルニー30番の指定テンポはそれほど無茶なものではなく、40番を終えている人なら十分に弾ききれるレベルだと思います。ツェルニー30番は円熟期に作曲された練習曲集なので、初級者への対応がよく考えられています。その分だけ地味に難しいです。この曲集にはテクニックをそのままショパンエチュードに適用できる曲もあります。初級用の練習曲集だからといって甘く見ないで、しっかりと練習してほしいと思います。

op.10-1:A - 最終話 BEST IS (NOT) AVERAGE -

B部(中間部)の演奏表現

前回「Q」において2小節あるいは8小節の表現を考えてみました。今回はもっと大きい単位での表現を考えます。和声の流れを把握していれば、8小節単位のブロックが組み合わさっていることがわかると思います。

大まかには3部形式で、A(1~16小節)⇒B(17~48)⇒A(49~68)⇒コーダ(69~79)となります。

長いB部の演奏表現がポイント、重要な課題になります。なにしろ音型が変わらないまま続きますので、そのなかで起伏をつけないと流れが見えなくなってしまいます。


まず楽譜で全体のデュナーミクを確認します。

ショパンが記したデュナーミクは、最初にフォルテで始まり、以降はcresc.+フォルテ指示が2箇所、cresc.のみが1箇所、dim.3箇所、1小節の>が1箇所、あとは「Q」で紹介したものと同様な2小節単位の<>が終結部で8小節続くだけです。この後半8小節は「最初の8小節と同じような気持ちで締めくくりなさい」と考えてよいでしょう。いずれにしても極めてデュナーミク指示が少なく、自分で表現方法を考えなければなりません。


ここでデュナーミクの基本に立ち返ります。

  • 弱い音量をより弱く、強い音量をより強くするのは技術的に困難であるとともに、聴いている人にも伝わりにくいです。
  • ゆえに、クレシェンドの前には十分に音量を落としておきます。フォルテからさらにクレシェンドするよりも、思い切ってメゾピアノくらいまで落としてからクレシェンドしたほうが効果的です。
  • クレシェンド開始と同時にいきなり全開にしないで、フォルテに向かってじわじわと上げると印象がよくなります。クレシェンドと書かれている前から音量を上げてしまう人がとても多いです。はやる気持ちをおさえ、じっとガマンしましょう。
  • クレシェンドの頂点をはっきりと表現します。fと書かれていたらffくらいに解釈してもよいと思います。曲調にもよるが、この曲はそれでOK。
  • ディミヌエンドはクレシェンドの逆で、いきなり弱くしないように注意します。どこまで、どの程度まで音量を絞るのか、あらかじめ見極めておくとよいでしょう。ピアノからさらに音量を絞るのは難しいので、メゾフォルテくらいの音量からディミヌエンドを開始できるように、その前の部分でデュナーミクを調節します。ピアノからピアニッシモに下げるような場合には、ウナコルダの使用も考えます。
  • 無段階でクレシェンドやディミヌエンドするのは難しいので、終点まで数段階に分けるイメージで弾きます。特に長いディミヌエンドでは f ⇒ mf ⇒ 中間 ⇒ mp ⇒ p のように、ディミヌエンド過程の音量設定を楽譜に書き込んでしまうとよいでしょう。理想的には1音ごと緻密に変化させるべきですが(ツェルニーはそうしろと言っています)、そうはいっても容易ではないので、1拍単位とか、ペダルを踏み変える単位で変化させます(後者がやりやすい)。音量を10段階くらいにコントロールできれば聞いている人には十分に無段階に聞こえます。
    ツェルニーはピアニストを目指す人に対して無段階を要求しているので、素人は気にしなくていいです。10段階、つまり f ⇒ mf とか mp ⇒ p の間に1クッション入る程度で十分。
  • 右ペダルを上手に使いましょう。クレシェンドするときは徐々に深く踏んで、盛大に響かせます。ディミヌエンドするときは徐々に浅くして踏み替えを増やし、響きを薄くします。後者が上手くいかない人が多いように思います(プロのピアニストでもそう)。
  • タッチを変化させることで音量と音色を同時に変化させることができますが、まずは正確な音量制御ができるようになってから考えます。
  • 誰でもいつも一番上手くいったときと同じように弾けるわけはありません。うまく弾けた時の感じをできるだけ確実に再現できるように練習するしかありません。内田光子さんですら「まれに完全に上手くいくときがある」と言ってます。上手くいくのはプロでも「まれ」だそうです(笑)。


ここからB部の私なりの演奏解釈を書いてみます。これが絶対というわけではないので、あくまでも参考にしてください。なお、楽譜はクリックすると大きくなります。

10-1-4階目2

小節No. 解説
17 ここからB部が始まります。多くのピアニストはここで音量を落としたり、ペダルを薄くします。A部が終わってB部に入ったことをわかりやすく伝えるためです。
~24 B部に入って8小節は、バスの順次進行を聞かせます。22~24小節が演奏困難な場合は、ここで少しずつテンポを落として8小節分の起承転結をつけるようなイメージに表現するとよい思います。いきなりガクっとテンポを落とすと「むずかしいから遅くした」とバレます(笑)。
23~24 左手を単音にしている=音量を落としたい、という意味です。なので、ここでディミヌエンドしたほうが良いと思います。左手は連続性を考慮してあえてオクターブで弾いて24小節で単音にする、というやり方もあります。
25~ ここから再現部まで一続きなので、演奏表現的にはここから新たなスタート地点になります。再現部に向かって拍頭の音が G ⇒Fis ⇒ F ⇒ E ⇒ Es ⇒ D ⇒ Cis ⇒ C ⇒ H ⇒ A ⇒ G ⇒ F ⇒ E ⇒ D と下がります。この長い下降音階を支えるバスと和声に対して、豊かな表現を盛り込みます。すべての音をマークすると楽譜が読みにくくなるので、トップの音だけマークしました。
25 スタート地点=新たな展開は、かなり抑えて入りましょう。この小節から、A7 ⇒Dm7 ⇒ 1拍だけD7 ⇒ G7 ⇒ C7 ⇒ Cm7。属7和音のみの和声進行でフラット系の調性に転調します。
27~28 フラット系への転調のきっかけとなる29小節のC7和音を強調したいので、そこに向かってディミヌエンドしてペダルも薄くします。
逆に29小節に向かってクレシェンドするのもいいと思います。この部分を単なるつなぎと見て何もしないのは最悪です。
29 意外性をもってC7を強調して聞かせたいので、ここでいきなりフォルテにして、ペダルをしっかり踏んで和声を響かせます。
30~33 この後33小節まではフラット系の調性です。デュナーミクは何も書かれていませんが、クレシェンド指示が入るまでは)じわじわとディミヌエンドします。そうしないと33小節からのクレシェンドに対応できません。クレシェンドのご利用は計画的に。


上記の22~23小節が特に難しいので、よく練習するようにしてください。通し練習ばかりしていると、他の部分はうまくなるのに、この部分がちっとも上達しない、ということになりがちです。わたしはいつもそうです(笑)。


さらに続けます。
ここからB部の後半になります。33~45小節の間にクレシェンド⇒フォルテ⇒ディミヌエンド⇒クレシェンド⇒フォルテと細かくデュナーミクが指示されます。この部分はきわめて重要なA部(再現部)導入の準備区間です。ここに続く46~48小節で一気に攻めて、49小節からの再現部に持ち込まなくてはなりません。


10-1-4回目3

小節No. 解説
33~35

36小節からの長いディミヌエンドにそなえて、その前に十分なクレシェンドが必要です。34小節の音程を下げながらのクレシェンドでstrettaな雰囲気を高めます。ここはフォルテまでテンポを緩めないで一気に突っ込みたいところですが、あえて溜めるのもありです(じらしのテクニック)。前後のバランスで決めてください(笑)。

36~

ここから長いディミヌエンドになります。一直線に音量を下げつづけると急にしぼんだようになるので、適度に<>を表現しながら、主にペダルによる響きの調節によって音響のサイズを縮小するイメージで、ディミヌエンドします。ペダルを1小節ベタ踏みするのをやめて、小刻みに上げ下げするとよいでしょう。
具体的には、音響を拡大したいとき=2~4拍踏み続け、縮小したいとき⇒1拍に1回程度踏み変え、のように上げ下げするペースを調節します。ペダルは完全に上げるのではなく、響きを薄くする程度の上げ方にします。響きの量をコントロールするために、ペダルを上手に使ってください。

38と40

38、40小節で4拍目をノンペダルにするようにこの楽譜(ミクリ版)は指示していますが、ナショナル・エディションではまるまる1小節伸ばしたままになっています。さまざまな資料からナショナル・エディションの指示が正当と思われますし、4小節目でいきなりノンペダルになるのは曲の流れ的にもよくありません。私の考えでは4拍目で踏み変えるのがいいと思います(ミクリの考えを含めた折衷案)。大部分のピアニストはそうやって弾いていると思います。

42~44

ここは今までとは異なった展開で、右手が1小節内で激しく上下します。パッセージの変化が大きい部分は演奏表現も大げさに、一気に盛り上げていきます。45小節に向かって左手をどんどんクレシェンド、それに合わせて右手も音量を上げ、ペダルも厚くします。また、ここから再現部まで G ⇒ F ⇒ E ⇒ D ⇒ Dis ⇒ E とトップの音を確実につなげてください。

45~46

下りアルペジョを一気呵成に弾ききると同時に、4拍目で左手の打鍵と同時にペダルを踏み変えます。いったん完全にペダルを上げて休符をしっかり聞かせます。これにより、いっそう緊張感が高まります。ナショナル・エディションではこの4分休符がカッコつきになっていますが、あったほうが断然カッコいいです。
さらにこの箇所はアルペジョのトップが D ⇒ Dis ⇒ E (47小節)と解決していく様子をくっきり聞かせる必要があるので、この3つの音がつながるようにします。同時にバスが B ⇒ B ⇒ E と進行する様子もしっかり聞かせます。ペダルを上げてもきれいつながって聞こえるように、音量やタッチに気をつけましょう。


いよいよB部の終わり~A部の再現となります。


10-4回目ラスト

小節No. 解説
47~48

E ⇒ G7 という和声進行で、49小節で再現部となります。G7=属7和音をマルカートに弾いてしっかりと聞かせたいので、48小節の頭からリタルダンドして準備します。E-dur和音のアルペジョが演奏困難な場合は46小節後半でテンポを落とし、47小節はその状態のまま(テンポを落としたまま)演奏してもかまわないと思います。でも遅いまま2小節弾くと間延びするのでがんばってテンポ維持を目指してください。

49~

めでたく再現部となります。戻ったよ!ということがわかるように、堂々と弾きましょう。ここに戻ったときのカタルシスを演出するために、延々と準備してきたのです。
ホロヴィッツやプレトニョフやカツァリスのように、こういった再現部の開始部分をわざとピアニッシモで弾いてカタルシスをはぐらかす人もいますが、こういうのはプロのピアニストだから許される演出です。でも内輪で弾くときにやってウケを取るのはありです


こうしてA部が再現したら、ようやく気が休まる・・・わけではありません。

そこはショパン先生、終盤に向けてもうひと波乱用意されています。「ここでもうひと波乱」「まだ意外な展開が」という演奏表現をしていただきたいと思います。


わたしはショパンのほとんどすべての曲の楽譜を見て、音楽学的な勉強をしていますが、この作曲家のすごさは冒頭部とコーダに特に強く表れていると思います。どの曲も印象的な開始をして聴衆をひきつけ、さまざまな展開があったのち、わずかな名残惜しさをもって終わります。このバランス感覚が抜きんでて優れていると思います。

コーダ作曲が最悪なのはいうまでもなくベートーヴェンです。彼の交響曲は終わりそうでなかなか終わってくれませんよね(笑)。ショパンはベートーヴェンのそういう冗長性が嫌いで、過不足のないバッハやモーツァルト的な楽曲を理想としていたため、すっきりとした構成を意識していたと思われます。「英雄ポロネーズ」のまるまる1ページかかる序奏や、バラード4番の長大なコーダは異例中の異例といってよいでしょう。そしてその「異例」がまた突出して素晴らしいことに至っては、もう天才というほかありません。


ペダリングのちがい:電子ピアノとグランドピアノ

最終回、長いですね~。もう少しお付き合いください(汗)。

私はいつもこんな感じで演奏を作り上げています。デュナーミクは楽譜に従いますが、ペダルは楽譜に書かれたことをかなり変更します。ショパンも言っていますが、ペダルは演奏者の裁量によって変更してよい、むしろ変更すべきです。ピアノの個体差や調整によって当然ペダリングは変わります。また打鍵&離鍵が甘い人は、どうしてもペダルが濁ります。なので、指の動きが悪い人はペダルをしっかり上げることを意識すべきでしょう。大抵の人は、タイミングよくペダルを踏むことはできても、離すタイミングやペダルを上げる速度が遅いようです。響きを消すときは、ペダルをスパッと上げることを意識しましょう。

電子ピアノで練習している人は、グランドピアノを弾くときにペダル操作の違和感を覚えやすいので特に注意してください。練習時から、グランドピアノで弾くことを想定できるようになりましょう。でも、この曲を弾くような人はそんなこと慣れっこだと思いますけれども。


演奏テンポと仕上げ方について

まずは4分音符=120を目標にします。

ショパンエチュードの4拍子系の速い曲は、このテンポでブレずに安定して弾けるようになれば、ひとまずOKだと思います。120で弾ければ発表会などでも恥ずかしくありません。コンクールや試験では140以上で弾くことを求められると思いますが、演奏困難な小節でコケないように練習を積んでいるうちに、そのくらいのテンポで弾けるようになってしまうと思います。

楽譜指定のテンポ=176は速すぎます。この指定値に関してはさまざまな議論があると思いますが、「君がヴィルチュオーゾ(名人)ならこのくらいのテンポで弾けるんじゃないの?」というショパン流の当てこすりというか、エスプリ(気の利いた冗談)ではないかと思います。

それともうひとつ、当時の練習曲集はツェルニーを始めとして無茶なテンポ設定がお約束でした。なのでショパンもその慣習に倣って、無茶テンポを設定したものと思われます。

いずれにしても、速い曲ではショパンが弾ききれた最大値を設定していると思われ、当時のピアノと現代のピアノの違いなどを考慮して、指定テンポで弾く必要はないと思われます。速すぎる演奏は、一生懸命やっているつもりでも表現や解釈が伝わりにくく、思ったほど効果的ではありません。

速いテンポでの演奏を身上とするピアニストがいますが、響きの豊かなホールではパッセージがダンゴになって何を弾いているのかさっぱりわかりません。指は速く回っているけれど、演奏では失敗しているのです。
これは素人にも降りかかってくる問題です。ちょっと広い場所になると、ピアノの音が散って自分の音が聞こえにくくなります。そのためペダルを多く踏みすぎたり、無理して鍵盤を叩いて演奏表現が行き届かなくなるのは非常によくある話です。仕上げの段階になったら、本番で弾く場所を想定して全体的な微調整をしましょう。


おわりに

練習法初回にして難度の高い曲を取り上げた結果、初中級者のみなさんがポカーンとするようなことばかり書いてしまいました。とんでもないブログを見てしまった、と思った方は申し訳ありません。演奏難度の低い曲では、その曲を初めて弾くようなレベルの方を想定して書こうと思います。

なおop.10-1練習法で書いた多くの部分は、ショパンコンクール副審査委員長のピオトル・パレチニ氏のマスタークラスおよび公演の内容に基づいています。


1665_key

写真:パレチニ氏とお弟子さん一同


す、すみません

でも何度拝見しても、パタリロにしか見えないのでw


というわけで、ショパンエチュードop.10-1練習法はこれにて終わりです(・∀・)



owari

op.10-1:Q - YOU CAN (NOT) REDO -

基礎練習の次は演奏表現を考えます。

本来は練習を始める前に演奏表現について大まかな方針を固めておくべきですが、そうはいってもたいていの人はひととおり譜読みをしてから表現に手を付けると思うので、その前提で行きますね。今回はデュナーミク(強弱表現)を見ていきます。


1.小さな単位でのデュナーミク表現

この曲はフォルテで始まりますが、1ページ目にはそれ以外の強弱指示が出てきません。テンポ指示も最初に書かれているだけです。だからといってずっと同じ音量で、一定のテンポで弾いたらどう見ても機械的なコンピュータシーケンスです。本当にありがとうございました。(コンピュータシーケンスのように弾けたらそれはそれですごいことではありますが・・・)

じゃあどうすればいいのよ?どうすれば完成度が高い演奏が出来るのよ?という話が「Q」のメインになります。

この曲は3部形式ですが、フレーズは8小節単位で成り立っていますので、まずこの単位で考えます。ざっと思いつくことを記入した楽譜が以下です。


op10-1_第3回用1


・・・ええと(汗)。

いっぱい記入しましたが、以下で詳しく説明します。


(1)アクセントを叩かない件

各拍の頭についているアクセントは、音量の強調というよりは拍頭の強調です。この曲の音型だとどうしても親指にアクセントが付きますから、そういう風に弾かせないためにわざわざアクセント記号をつけています。アクセントを過度に強調すると音楽の流れを壊してしまいますのでほどほどに。プロでも「ガン!ガン!ガン!ガン!」と叩く人がいますが、そういう演奏は美しくないです。アルペジョの奔流の中にキラッキラッと輝きを添えるイメージがよいでしょう。ダイヤモンド、それともスワロフスキー?あなたの自由なイメージで輝きを加えてほしいです。


(2)2小節単位のデュナーミクとアゴーギクの件(ブルーの大きな<>)

2小節がパッセージの最小単位になります。アルペジョが上がるときに盛り上げて、下がるときに静まっていくイメージです。この記入はクレシェンドとディミヌエンドではなく、音楽の呼吸、あるいは音楽の幅や深さと捉えてください。<で幅が広がって、>で狭まります。<の始まる瞬間に息を吐き終わって、吸い始めるのがいいと思います。開始部分は左手でドを弾いた瞬間に「フン!」と息を吐き、右手の上昇にあわせて息を吸い始めるのです。そうすると、自然に<>のニュアンスがつきます。指の力で意識的にクレシェンド&ディミヌエンドしても、なかなかうまくいきません。こういう強弱表現を盛り込むことで、人間の生理にあった自然なフレージングを奏でることができます。

また、各小節の冒頭で瞬間に加速して拍を進行しながら少し速度を緩めるとより一層迫力があり、なおかつ聴きやすい演奏になります。とくに下がりきった4拍目ではそれとわかるくらい緩めたほうが、おさまりがよいと思います。が、やりすぎは禁物です。この速度調節をアゴーギクといいます。

2小節単位のアゴーギクとデュナーミク、考えたことがある人いますか?

あまりいないのではないかと思います。op.10-1や10-8、25-12といった曲のマスタークラスで100%指摘されるのがこのポイントです。指摘されなかった人を見たことがありません。「そんなこと考えなくても自然に出来るよ」という人は、これまで蓄積された経験からそのような表現が生み出されるのであって、けっして無から生まれているわけではありません。

日本のピアノの先生はメカニックを重視しすぎるあまり、表現力の教育が足りなさすぎるように思います。表現力は作曲者の心情を推し量ることではなく、れっきとした技術です。なので、教えてもらわないと身に付きません。


2.和声変化の表現

和声が固定されるのは最初の2小節間だけで、あとは常に変化します。特に最後の2小節は和声が大きく動きますので、聴いている人にもそれとわかるように伝える=表現する必要があります。

明らかに色合いが変わるのは7小節目です。ヘ短調の和音が出てきます。これを下属短調(サブドミナント・マイナーという呼び方がより一般的)といいます。その次の8小節目が属7和音です。和声法では主和音= I 、属和音= V 、下属和音= IV 、と書きます。

最もよくある進行は I ⇒ IV ⇒ V ⇒ I という順番になりますが、ドレミファソラシドの中で3度と4度を組み合わせた和音ばかりなのでちょっと味気ないです。ぶっちゃけソナチネみたいです。ここへスパイスを加えて I ⇒ IVm ⇒ V7 ⇒ I という進行にすると、あらステキ。IVmでドレミファソラシド以外の音(スケール外の音といいます)が加わるので印象的な響きになります。

ショパンはもちろん後者の進行を使うのですが、さすがにそのままIVmを使いません。バスにG音(ソ)を持ってきて、その上にサブドミナント・マイナーを鳴らします。コード記号で書くと、Fm/G。これは分数コードと呼ばれるものですが、属7和音の1小節前に属音(ソ)を鳴らすことで、より印象的に属7を導くことができます。このバスにF音(ファ)を持ってきても全く問題ないのですが、あえてG音を持ってくるショパンのセンスをわかってあげましょう。

⇒センスをわかってることを表現するには・・・

その2つ前の第5小節からすでに準備を始める必要があります。ソ~~~ファ・ミ・レ~と下がるバスをしっかり弾き、7小節目のソを重い音色でドスーンと鳴らします。体重をかけるイメージでまっすぐ下に向かって鍵盤を打ち鳴らしましょう。その上で、新たな気持ちで7小節目のアルペジョを奏して(意識的に顔を上げて上半身を起こすといい。自然に音色が変わります。)、8小節目をしっかり弾きます。

8小節目の4拍目でアクセントのついたDis音があるので、これはしっかり強調しますが、いきなりアクセントをつけるのはとても不自然なのでその前のレーソ-ファ-シの弾き方を工夫します。まず「レ」にアクセントをつけず、ソファシで少し速度を緩め(この3つを気持ちマルカートに弾くとか、クレシェンドするとか、いろいろやりかたがある)、おもむろにDisを弾きます。

ここまでやると、9小節目の主和音へつながる展開に説得力が出るのと同時に、「スケールが大きな演奏になりそう!」という期待感を聴衆に持たせることができます。


コンクールや試験では、エチュードの演奏は冒頭8小節と最後の8小節で8割がた評価が確定するらしいので(8-8-8の法則)、よく練習してください。特にコンクールでop.10-1を演奏する場合、冒頭がよくないとあとから盛り返すことはほとんど不可能だと思います。


ということで長くなったのであとは次回に続きますが、8小節単位の構成を意識して演奏表現を作っていけばそれほどおかしな演奏になることはないと思います。次回はもっと大きな単位での表現を検討します。


※参考までに:op.10-1の名演奏

ルイ・ロルティ(手がよく見えます)http://www.youtube.com/watch?v=tH6za0Cp4RA

マウリツィオ・ポリーニ(定番DG)http://www.youtube.com/watch?v=nMM6h9Yf348

マルタ・アルゲリッチ(in ショパコン)http://www.youtube.com/watch?v=53kUnwM93wo

アルゲリッチすごいですね。8小節目に到達する前に「え!?この人は!!」みたいな衝撃が走ります。でもちょっと弾き飛ばしすぎ・・・


つづく

ひとやすみ用BGM

予告2

BGM(おやくそく)

有害なペダル

凶暴なテンポ

枯渇したモチベーション

次々と生まれる新しい楽譜

おびただしいCD

ありとあらゆる解釈

ありとあらゆる正義

ありとあらゆる誤り

とるべき道はいくらでもあるはずだ

私達はすべてを未来にたくすことにしよう

次回、ショパンエチュードop.10-1 最終話:A

さぁて、この次もサービスサービス!


今回の次回予告はこの漫画の最終巻から引用しました。サブタイトルは勝手な想像ですw

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ルイ・ロルティ
LouisLortie.com
公式サイト(英語・仏語)
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入手可能CD amazonJPN

Harnoncourt(BUN)
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エチュード以外のショパンの作品解説やCD聴き比べなど
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自分で演奏&DTMで作った音楽

オンライン無料楽譜
IMSLPショパン(英語)
さまざまな版が収録されており、演奏指示などの記述がバラバラで混乱するので、きちんと勉強したい人にはおすすめできない。
ショパン初版譜
英仏独3カ国の初版譜が比較できる。演奏指示などの記述がバラバラ(以下略)なので、調べものをしたい人向け(英語)
ショパン自筆譜ファクシミリ
自筆譜が確認できる。読みずらいがちょっとした確認をしたいときに非常に便利。アクセント記号やsf&fzで迷ったらここ(英語)


楽譜販売サイト
ナショナルエディション直販
PayPalユーロ決済。8ユーロで日本への配送可能。(英語)
ショパン自筆譜ファクシミリ
PWM。随時追加される模様。op.10の一部が散逸していて全曲揃わないのが非常に残念。(英語)

amazonショパン楽譜@洋書カテ
ヘンレ版
ヤマハ等の店頭で買うより安価
ドーヴァー版
やはり店頭より安価。楽譜サイズに注意。ミニサイズのものが混ざってます。

その他
ファツィオリ
近年ロルティが録音に使用しているピアノ。スタインウエイとはまた違った魅力。
シャンドス
ロルティのCDを発売しているレーベル(英語)
NationalEdition.com
ナショナル・エディション総本山(英語)
国際ショパン協会
ショパンコンクール主催(英語)
日本ショパン協会
国内の演奏会情報など

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