ピアノ曲の技術的難易度振り分けは非常にくだらない話題です。子供(精神的に幼稚な人)が学歴や偏差値で優越感を得たりコンプレックスに苦しむことと同じで、本質的には全く意味がありません。そんなことで悩むのは時間の無駄です。

そもそもこれを気にする人は最初から弾けるはずがないのです。たとえ技術レベルがその曲に到達していたとしても、精神的な障壁が存在したら弾けるわけがありません。加えていうならば、ピアノ曲の難易度は個人差がつきもので、とりわけショパンエチュードの体感難易度は個人差が大きいことが知られています。そのため、ある人には演奏容易に思えた曲が別の人にはものすごい難曲に感じる、ということがごく普通に発生します。なので、個人がつけた難易度は他人には通用しませんし、万人に共通するランク付けなどできるはずがありません。

しかし音楽図鑑ブログのほうも「曲名+難易度」で検索してやってくる人がものすごく多く、迷える子羊を見るような気持ちになってしまいます。ということで、ひとつの意見として全27曲の技術的難易度を私なりにまとめてみました。全曲ひと通り弾いた上で難易度を振っています。

自分の技術レベルが低かった頃は、非常にむずかしくとても弾けそうになく思えた曲があって、いわば難易度センサーが無限大に振り切れてしまったりもしたのです(笑)。近年は、「どんなに難しい曲でも必ず弾けるようになる方策があり、それを見つけ出して練習するのがピアノ学習者のやるべきこと」と思えるようになったので、難易度∞の曲はなくなりました。

以上、前おきが大変長くなりましたが、これからショパンエチュードの難易度解説を始めます。


ランクわけと時代別代表曲

ツェルニー相当 古典派代表曲 ロマン派代表曲 近現代代表曲
30番終了 モーツァルト:K.545 シューマン:飛翔 ドビュッシー:アラベスク1番
☆+ 40番中盤 モーツァルト:K.331 シューベルト:即興曲op.90-3 ドビュッシー:アラベスク2番
☆☆ 40番終了 ベートーヴェン:悲愴 シューマン:子供の情景 ラヴェル:死せる王女の
ためのパヴァーヌ
☆☆+ 50番中盤 ベートーヴェン:月光 メンデルスゾーン:
ロンド・カプリチオーソ
ラヴェル:ソナチネ
☆☆☆ 50番終了 ベートーヴェン:熱情 リスト:カンパネラ ラヴェル:水の戯れ
☆☆☆+ 60番 ベートーヴェン:皇帝 シューマン:トッカータ バラキレフ:イスラメイ

代表曲に異論のある方もいらっしゃると思いますが、とりあえず。アラベスク1番はツェルニー30番に入る前でも弾けますね。


op.10

番号 難易度 コメント
☆☆☆ 局地的に難しい箇所があります。
☆☆☆+ どうしても弾けない人がいます。
☆☆ 中間部以外は☆なので、ツェルニー30番で不足しがちな成分を補いましょう。
☆☆☆ 個人差があります。
☆☆ 個人差があります。
技術の曲じゃないので。
☆☆+ 個人差が大きい曲ですが、簡単という人はあまりいません。バラード2番コーダに登場。
☆☆+ 試験やコンクールの定番のメカニカルな練習曲です。
ツェルニー30番は左手の練習が少ないのでこの曲は大変。だからこそ練習します。
10 ☆+ 技術はラクだけどプロでも変な演奏をする危ない曲です。
11 ☆☆ エオリアンハープを仕上げてからでないと無理です。
12 ☆+ 弾きやすく、知名度も高くてコスパ抜群。9番をさらった後でどうぞ。


op.25

番号 難易度 コメント
☆+ 手が広がらない人は毎日これを弾きましょう。
個人差がありますが、ツェルニー30の20番目の次に弾けます。
☆☆ トリルのところ以外はさほど難しくありません。
☆☆+ テンポ次第です。高速ノーミス演奏は困難です。
☆☆+ 中間部がかなり難しいです。
☆☆☆+ 私が習った浜野先生はこれが弾きやすいそうです。
☆☆ 左手のルバート技術の曲です。
☆☆☆ 曲調と裏腹に難曲。+をつけるか迷うくらいです。
☆☆ 手が開かない人は非常に演奏困難です。
10 ☆☆ 中間部が難しいです。1-3や1-4でオクターブが取れない人は☆☆+
11 ☆☆☆ 25-6ほどじゃないので。
12 ☆+ ツェルニー30番終えたばかりでは弾けないけれど、40番を終えた後だと物足りない。


新練習曲(楽譜によって順番が違うので調性を参考に確認してください。)

番号 難易度 コメント
ヘ短調。ツェルニー30番を終えたらこういうクロスリズムに挑戦しましょう。
変イ長調。これもクロスリズム。左手の音域が広いので、右手ばかり見ているとミスします。
☆+ 変ニ長調。ショパンらしい才気が感じられる曲。